こんにちは、たまぶろぐです。
今回は建設業の許可制度についてご紹介します。
一定の金額を超える建設工事について、建設業法における許可を取らなければ工事を請け負うことができません。
どういった場合に許可が必要なのか?
許可にはどんな種類があるのか?
について解説していきます。
建設業法の制定
建設業法1条において、
この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
とされています。
これは公共の福祉の増進への寄与が目的とされています。
この実現のため、
建設業を営む者の資質の向上
や
建設工事の請負契約の適正化等
を手段として各規定を定めています。
建設業許可制度
建設業の許可
建設業法による許可が必要になる工事と必要で無い工事があります。
建設工事の完成を請け負う営業をするには軽微な建設工事を除いて、建設業法の許可を受けなければならないとされています。
すなわち軽微な工事しか請け負わない場合には、この許可が不要となるのです。
ただし実際のところ、銀行や元請業者からの影響でこの軽微な工事であっても許可が必要な場合が多くなっています。
銀行からのリフォームローンの条件となっていたり、元請業者のコンプライアンスの一環として必要となるケースが増えているようです。
軽微な建設工事とは?
- 建築一式工事において
-
1件の請負代金の額が1500万円(税込)未満の工事
請負代金にかかわらず木造住宅で延べ床面積が150㎡未満の工事
- 建築一式工事以外の工事において
-
1件の請負代金の額が500万円未満の工事
このような工事を政令で定める軽微な工事といい、建設業の許可が無くても請け負うことができます。
じゃあ一つの工事を軽微な工事の金額内にするように分割して発注してしまったら?
正当な理由がある場合を除いて、分けた代金を含めた合計金額で判断されます。
注文した人が材料を提供した場合は?
その材料の市場価格を合算した金額で判断されます。
許可の種類
建設業の許可にはいくつか種類があります。
知事許可と大臣許可
- 都道府県知事許可
-
1つの都道府県にのみ営業所を設ける場合
- 国土交通大臣許可
-
2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合
営業所ってなんだ?
この場合の営業所とは
本店、支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいう
とされています。
営業所としてみなされる要点とは
- 外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の実態的な業務を行っていること
- 固定電話、机、各種事務台帳等を備えていること
- 契約締結等ができるスペースを有し、かつ、居住部分、他法人又は他の個人事業主とは間仕切り等で明確に区分されているなど独立性が保たれていること
- 事務所としての使用権原を有していること
- 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることがわかるように表示していこと
- 経営業務の管理責任者又は令3条に規定する使用人が常勤していること
- 専任技術者が常勤していること
実際に許可申請する際には、これらを写真や平面図にて提出することになります。
一般建設業と特定建設業
適正な施工・下請業者の保護のため、一定額以上の工事を下請けに出す場合は、特定建設業の許可を必要とします。
- 特定建設業許可
-
発注者から直接請け負った1件の建設工事について下請契約の金額が4,000万円以上(建築一式工事については6,000万円以上)となる場合
- 一般建設業許可
-
上記の金額制限に該当しないの場合
特定建設業の許可については下請業者の保護という観点から直接請け負った元請業者のみに必要とされています。
つまり、下請業者がさらに第2次の下請業者(孫請)に一定額を超えて再下請させても特定建設業の許可は必要ないとされています。
建設業の種類
建設業許可は29種類に分類されています。
一式工事(2業種)
土木工事業 | 建築工事業 |
専門工事(27業種)
大工工事業 | 左官工事業 | とび・土工・コンクリート工事業 |
石工事業 | 屋根工事業 | 電気工事業 |
管工事業 | タイル・れんが・ブロック工事業 | 鋼構造物工事業 |
鉄筋工事業 | 舗装工事業 | しゅんせつ工事業 |
板金工事業 | ガラス工事業 | 塗装工事業 |
防水工事業 | 内装仕上工事業 | 機械器具設置工事業 |
熱絶縁工事業 | 電気通信工事業 | 造園工事業 |
さく井工事業 | 建具工事業 | 水道施設工事業 |
工事業 | 清掃施設工事業 | 解体工事業 |
建設業許可は業種別に許可取得が必要となるため、許可が必要な業種が複数ある場合は、それらすべての許可を受けなければなりません。
許可の有効期間と更新
許可は5年ごとに更新を受けなければ、効力を失ってしまいます。
そのため、期間が満了する日の30日前までに更新の手続きを取らなければなりません。
まとめ
今回は建設業の許可制度についてご紹介しました。
一定規模以上の建設工事を行う場合には該当する許可を受けなければなりません。
今回は最後に建設業許可をとる場合のメリットとデメリットを記載いたします。
メリット | デメリット |
---|---|
500万円以上の工事が受注できる | 法の規制を受ける |
金融機関の融資等で信用を得ることができる | 変更届などの手続きが必要になる |
お客様に安心してもらえる | 情報が公開される |
元請業者から許可必須とされる場合がある |
お客様にとって何のために許可が必要なのかをよくヒアリングして、制約やデメリットがあることを伝えることが重要です。
場合によっては許可が必要ないこともあるということに注意したいです。