こんにちは、たまぶろぐです。
今回は建設業の許可のひとつである一般建設業の許可取得についてご紹介します。
許可の要件
一般建設業の許可要件について、押さえていくポイントは人材・施設・財産の3つです。
許可要件
- 経営業務管理体制が整っていること
- 営業所に専任技術者がいること
- 適切な社会保険への加入
- 誠実性
- 財産的基礎があること
- 欠格要件に該当しないこと
この要件が整っていれば、原則許可を受けることができます。
以下、各項目について解説していきます。
経営業務管理体制
法人であれば常勤の取締役の誰かが、個人であれば本人または支配人が以下に記載する項目に該当することが必要となります。
建設業法施行規則7条1号イ
常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であること
- 建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 権限の委任を受け経営業務の管理責任者に準ずる地位として、5年以上の経験を有する者
- 6年以上の建設業の経営業務管理責任者に準ずる地位として、補助する業務経験を有する者
令和2年10月より改正により許可基準が見直されました。
持続可能な事業環境の確保という趣旨から、今までの経営業務管理責任者の引退に伴い廃業を選択せざるを得ないような場合を救済する目的で範囲が広くなりました。
建設業法施行規則7条1号ロ
常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であって、かつ、財務管理の業務経験、労務管理の業務経験、業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等を直接補佐する者としてそれぞれ置くものであること
- 建設業の役員等の経験が2年以上あり、それに加えて建設業の役員等又は建設業の財務管理・労務管理・業務管理について役員等に次ぐ職制上の地位の経験を通算3年以上有する者
- 建設業の役員等の経験が2年以上あり、それに加えて建設業以外の業種における役員等の経験を3年以上有する者
1は簡単に言ってしまうと建設業の中で役職の範囲を広げるイメージです。
2は 簡単に言ってしまうと役職は同じで建設業以外の業種に範囲を広げるイメージです。
直接補佐する者とは
申請会社において、建設業の財務管理、労務管理、業務運営の経験をそれぞれ5年以上有し、常勤役員を直接補佐する者のことです。
- 財務管理の業務経験
-
建設工事を施工するにあたって必要な資金の調達や施工中の資金繰りの管理、下請業者への代金の支払いなどに関する業務経験のこと
- 労務管理の業務経験
-
社内や工事現場における勤怠の管理や社会保険の関係の手続に関する業務経験のこと
- 業務運営の業務経験
-
会社の経営方針の策定、実施に関する業務経験のこと
この3役については3人別々の者でも、1人で3役を担っても良いため、3つの管理に分けて考えることが重要です。建設業法施行規則7条1号イでは1人いれば良いのですが、ロでは1または2に該当する者と、補佐者(1~3人)の2~4人の体制となります。
営業所での専任技術者の配置
全ての営業所に以下のいずれかに該当する専任の技術者がいることが要件となります。
- 国家資格者等
- 一定以上の実務経験者
-
指定学科卒業
- 大卒または専門卒で専門士 実務経験3年以上
- 高卒または専門卒 実務経験5年以上
学歴不問
- 上記以外 実務経験10年以上
- 国土交通大臣が上記の者と同等の能力を有すると認定した者
専任性
専任の者とは、その営業所に常勤して専らその職務に従事することを要する者をいいます。
会社の社員の場合、勤務状況や給与の支払状況、その者に対する人事権の状況等により専任か否かを判断することとなっています。
そのため以下に記載するような者は専任性があるとは認められない可能性があります。
- 住所が勤務する営業所の所在地から著しく遠く、通勤が不可能と思われる者
- 建築士事務所を管理する建築士、専任の宅地建物取引士等他の法令により特定の事務所等において専任を要することとされている者
- 他に個人営業を行っている者、他の法人の常勤役員である者等他の営業等について専任に近い状態にあると認められる者
適切な社会保険への加入
こちらも令和2年10月の改正にて社会保険の加入が要件となりました。
誠実性
許可を受けようとする者は、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかな者でない者でなければなりません。
財産的基礎
請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないことを要件としています。
判断基準は、原則として既存の企業においては申請時の直前の決算期における財務諸表によって行われます。
新規設立の企業においては創業時における財務諸表により行われます。
次のいずれかに該当する者が財産的基礎要件に該当する者として取り扱われます。
- 自己資本が500万円以上
-
法人においては貸借対照表における純資産合計の額のこと
個人においては期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上される利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額のこと
- 資金調達能力が500万円以上
-
取引金融機関の融資証明書や預金残高証明書等により確認できることが必要です。
- 直近5年間で許可を受けて、継続して営業してきた実績
-
この要件は更新時に必要なこととなります。
欠格要件に該当しないこと
今までに紹介した許可要件とは違い、該当すれば
許可してはならないとされる
内容となります。
申請書類に虚偽の記載があることや不正の手段で許可を受けた場合、禁固刑以上の刑に処されている場合、暴力団等がその事業活動を支配していた場合などが挙げられています。
まとめ
今回は一般建設業許可の要件についてご紹介しました。
ポイントである 人材・施設・財産 のうち、人材についての要件が最も複雑で要件に該当するのかを判断する上でも難しくなっています。
改正もあり、より複雑な部分もあるような印象も受けました。
一般建設業の許可を申請しようと考えている方はこういった要件に注意して、許可を受けられるのか判断していってください。