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相続のルールってどんなもの?

こんにちは、たまぶろぐです。

今回は相続法についてです。

ある人が死亡して財産を残したとき、だれがどういう順番で相続人になるのか、 相続法はどのような仕組みでどんな特徴があるか紹介します。

そして、法律用語は難しいものも多いので、頻出ワードをまずは簡単に説明します。

被相続人 財産を遺してなくなった方のこと

相続人 被相続人が遺した財産を相続する権利がある人のこと

目次

相続法の特徴と相続の根拠

ある人が私有財産を所持している場合に、その人の死亡に際してその財産を誰かに承継させる必要があります。

なぜなら、無主の財産をめぐって奪い合いが生じ財産秩序を保てないからです。

相続法の特徴

相続は2つの柱で形成されています。

法定相続主義

一定の事実の発生(死亡)により、法律があらかじめ定めた相続人に権利義務を承継させる。

包括承継 法定相続では被相続人に属する権利義務を全て一括して相続財産として把握し、債務があっても相続財産で清算しないまま相続人に承継させる制度が基本になっています。

遺言相続主義

法律の規定によらず、被相続人の意思(遺言に表示された)に従って相続人を指定し、権利義務を承継させる。

そして日本の現行相続法では、権利義務の承継に関して遺言を優先し、遺言がない場合に法定相続になります。また、一定の法定相続人には遺留分が保証されていて、遺言の自由は制限されています。

遺留分 兄弟姉妹以外の相続人が最低限の遺産を確保するための制度で、一定の割合で請求することができます。(民法1042条)

相続の根拠

相続の根拠については、

子・直系尊属・兄弟姉妹の血族相続権については、血縁関係があるから相続します。

配偶者の相続権については、家族の生活保障や協力して築き上げた財産の清算のために相続権が認められます。

そのほかにも様々な説がありますが、財産の無主物化の回避ということが大きな根拠となります。

相続の開始

相続の開始原因

相続は人の死亡を原因として開始します。

失踪宣告や水難・火災その他の事変によって死亡し、取り調べした官庁または公署が死亡と認定した時にも死亡として扱われます。

同時死亡の推定

相続人は相続開始時に生存していることが前提です。

同一の事故などで被相続人と相続人のどちらが先に死亡したかで相続関係が変わります。

父と子が飛行機事故などに巻き込まれて死亡した場合に、父が先に亡くなる場合と子が先に亡くなる場合で、相続人が変わってきてしまうのです。

そのため死亡の先後が非常に重要になってくるのですが、飛行機事故などの場合には、その証明が非常に難しいです。

そこで、死亡したことが確実である数人の間において、1人が他の者の死亡後なお生存していたことが明らかでないときは、同時に死亡したものと推定されることとなります。

相続の開始地

相続に関する訴訟の管轄を明らかにするため、相続の開始地は、被相続人の住所地となります。

相続の原則

遺言がない場合には、民法の定める相続人が定められた順位と割合で相続します。

尊属 親族関係のうち、ある人より前の世代の人のこと

卑属 親族関係のうち、ある人より後の世代の人のこと

相続人の種類と順位

相続人には配偶者相続人と血族相続人があり、配偶者相続人は常に相続人となりますが、血族相続人は順位があります。

第1順位は被相続人の直系卑属 子または子がいない場合は孫

第2順位は被相続人の直系尊属 両親または両親がいない場合は祖父母

第3順位は被相続人の兄弟姉妹

第1順位から優先的に相続人となり、子がいない場合は、第2順位の両親へ、両親もいない場合第3順位の兄弟姉妹が相続人となります。

相続における配偶者とは法律上の配偶者に限られ、内縁関係の配偶者は含まれません。

法定相続分

法定相続分の原則

相続分とは共同相続において、各相続人が相続すべき権利義務の割合、相続財産全体に対する各相続人の持分のことです。

被相続人は遺言によって相続分を定めることができますが、この指定がないときに、この法定相続分の規定が適用されます。

                 配偶者がいる場合
第1順位
(子・孫)
配偶者:2分の1
子:2分の1 子が複数いるケースではこの2分の1を子の数に応じて均等に分けます。
第2順位
(父母)
配偶者:3分の2
父母:3分の1 父母ともに健在の場合、均等割し、各6分の1
第3順位
(兄弟姉妹)
配偶者:4分の3
兄弟姉妹:4分の1  兄弟姉妹が複数いるケースではこの4分の1を数に応じて均等に分けます。
上記血族が
いない場合
配偶者が全部相続する
                 配偶者がいない場合
第1順位
(子・孫)
子が全部を相続します。子が複数いるケースでは子の数に応じて均等に分けます。
子が3人の場合、各3分の1
第2順位
(父母)
父母が全部を相続します。
父のみの場合、父が全部を相続します。
第3順位
(兄弟姉妹)
兄弟姉妹が全部を相続します。
兄弟姉妹が3人の場合、各3分の1
上記血族が
いない場合
相続人がなしとなります。

法定相続分の意義

法定相続分は一応の割合にしかすぎません。

実際には被相続人が相続人に生前贈与をしていたり、被相続人の財産形成に多大な寄与をしていた場合には、こういった事情を考慮して、具体的な相続分が算出されます。

しかし、誰がどういった贈与を受けたかや実際の相続分などは第三者(相続人の債権者や債務者)にとってはわからないものであり、具体的な相続分を計算することができません。

そこで法定相続分を基準として活用します。

被相続人の債権者が相続債権につき共同相続人に対して弁済を請求する場合

共同相続人の1人が債務者に対して弁済を請求する場合

その後遺産分割の際に具体的な相続分が算定され、その結果、相続債権や不動産の帰属が異なり、実際に相続できる金額が法定相続分と異なっても、それは相続人内部のこととして調整され、第三者には影響しません。

代襲相続

意義

代襲相続とは被相続人の死亡以前に相続人となるべき子や兄弟姉妹が死亡したり、相続欠格や相続廃除を理由に相続権を失ったときにその者の子が代わりに、相続分を相続することです。

親である相続人を通じて相続利益を受ける子の利益を保障するため、相続人間の公平や、相続に対する期待の保護として代襲相続という制度を置いています。

代襲原因

代襲原因は相続開始前の死亡、相続欠格、相続廃除となっていて、相続放棄は含まれません。

被代襲者

被相続人の子および兄弟姉妹に限られて直系尊属(両親や祖父母)、配偶者には被代襲者の地位は認められていません。

代襲相続の要件

代襲相続人となるのは、被相続人の子の子(孫)、または被代襲者の兄弟姉妹の子(おい、めい)です。

また、この場合には再代襲があります。

孫が代襲相続人になる場合、その孫がすでに死亡していたりしたときは、孫の子つまりひ孫が代襲相続人となります。

ただし、兄弟姉妹については、再代襲は認められていません。

普段の生活の上で、関係が希薄な者にまで、相続人の範囲を拡大することは、相続関係を複雑にしてしまうからです。

胎児の扱い

相続人は相続開始時に生存していなければなりませんが、胎児については、すでに生まれたものとみなして相続権を保障します。

出生の可能性が高いのに相続権が無いのは不公平だからです。

父の死亡時に胎児であった者が、後に出生すれば相続人となります。

ただし、死産の場合には、初めから相続人にならなかったものとして扱われます。

まとめ

今回は相続法の概略と相続の原則について紹介しました。

相続人の種類や順位

法定相続分

といったところは、いざ実際に相続が起きた場合などに知っておいたほうが良い知識だと思います。

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