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相続財産の管理って誰がするの?

こんにちは、たまぶろぐです。

今回は相続財産の管理の仕方についてご紹介します。

相続人が複数人いる場合に、どのように相続財産を管理すればよいでしょうか。

他人が相続財産を占有していたり、相続分を他人に譲渡していたりした場合にはどのようにして取り戻せばよいのでしょうか。

そのような場合についてお話します。

目次

相続財産の管理

共同相続人による共同管理

相続開始から相続の放棄・承認があるまでは相続人は自己の財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければなりません。

  • 共同相続人は、その相続分に応じて各相続財産を使用することができる。
  • 保存行為(建物の修理、税金の納入、共有名義の相続登記、不法占拠者の排除など)は各相続人が単独でできる。
  • 管理行為(賃貸中の財産の取立、現金を預金するなど)は、各相続人の相続分による多数決によって決定される。
  • 処分行為や変更行為(相続財産の売却、担保の設定、農地から宅地への変更など)は相続人全員の同意が必要である。
  • これらにかかった経費は相続財産に関する費用として相続財産の負担になる。

相続財産管理人による管理

一定の場合には相続財産管理人に相続財産を管理させることがあります。

  • 相続人全員の合意によって、特定の者に財産管理を委託することができます。
  • 被相続人の遺言がある場合には、遺言執行に必要な範囲で遺言執行者が相続財産を管理することがあります。
  • 遺産分割の申立てがあった場合には、審判前の保全処分として家裁が財産管理者を選任することがあります。

相続財産の占有

共同相続人の1人が、相続開始前から相続財産である不動産に居住しているなど個別の相続財産を占有している場合、この相続人の相続分を超える部分については他主占有として扱われます。

つまり、この占有はあくまで管理のための占有と考えられます。

明渡請求

では、他の相続人は相続財産を占有する相続人に対して明渡しを請求することができるのでしょうか?

この場合には、遺産分割の問題として処理されること(明渡請求を遺産分割請求と解釈して、分割手続きを開始させる)となり、分割終了までは従来からの利用状況・占有状態は変更されないこととなります。

使用収益による利益の返還

占有する相続人が自身の相続分を超えて使用している場合には、通常使用収益している部分と管理費用を相殺して処理します。

自身の相続分および管理費用を超える使用収益については、他の相続人に対価相当分を支払い、逆に自己の相続分を超える管理費用を支払った場合には、他の相続人に費用を請求することができます。

相続分の譲渡と取戻し

相続分の譲渡

共同相続人の1人が遺産分割前にその相続分を第三者に譲渡したときは、他の共同相続人はその価額および費用を償還して、その相続分を取り戻すことができると規定しています。

この規定から遺産分割前に相続分の譲渡ができると理解されています。

譲渡の対象と効果

譲受人(ここでは相続分を譲渡してもらった者)は相続財産を管理し、遺産分割を請求する地位を獲得します。

それと伴い、譲渡した相続人は遺産分割手続きや遺産確認の訴えの当事者適格を失います。

当事者適格 訴訟の当事者となることができる資格のこと

しかし債務については債権者の同意なくしては債務者を交替させることはできません。

そのため相続債務については、譲受人に移転はしますが、相続債権者が不利益を受けないように、譲渡した相続人も弁済の責めを負うことになります。

相続分の取戻し

譲渡された相続分について、共同相続人は譲受人に対してその価額および費用を償還して、取り戻すことができます。

共同相続人以外の第三者が相続分を取得して遺産分割に参加して紛争が起こることを避けるためです。

この取戻権は譲渡のときから1か月以内に行使しなければなりません。

まとめ

今回は相続財産の管理について、相続分が他の人間に譲渡された場合についてご紹介しました。

管理については自分ひとりで行って良い行為や全員の合意がないと行ってはいけない行為などがあります。

ご自身の判断だけで勝手にしてしまうといけないこともあるので注意が必要です。

また、譲渡された財産は必要な代価を支払って取り戻すことも可能です。

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